なんかお手盛り感ハンパないドキュメンタリー。後半は57才の現場監督のお手柄記念動画のようになってるし。洞窟内の壁の人為的な模様とか、現場監督がそのときほんとうに初めて見つけたの？ だとすると足掛け三年と現場で発掘調査にあたった若者たちはどんだけ節穴なのよ（笑）。
洞窟から大量に旧人の骨が出てきたと。大量って、どのくらい？ とまずは思いますよね。それが見ていてよくわからない。墓場と断定するなら、相応の数の人骨が出てこないとおかしいでしょ。でもよりによって、あんな行きにくい経路を辿って一々死者を埋葬するかな……と終始疑問でしたね。洞窟内では腐敗バクテリアも地上より少なそうだし、そこを墓場にする合理性が全然ない。生贄を捧げた跡とかね、何かしらの祭祀を行った場所ではないかとか、諸々の素人考えを否定するようなファクトへの言及がともかく弱いんです。
途中、相当アニメーションで誤魔化してるようなのもいただけない。ホロリ系の音楽をかけて、旧人にも愛する人の喪失を悼む心があったのだ……みたいなね。色々と美化し過ぎているように感じられました。
あの洞窟をアメリカ人だかなんだか、独占的に調査しているようなのも、胡散臭ささを感じてしまった。
ただ、考古学者とは、そもそもロマンチストなのかもしれないなぁとも思いました。
