MakikoSato

猫と、とうさんのMakikoSatoのレビュー・感想・評価

猫と、とうさん(2022年製作の映画)
5.0
劇場で見逃して、どうしても観たくて、WOWOW放送時に録画したものをようやく。

期待以上の面白さ。そもそもアメリカにおいて猫好きは女性のイメージが強く、猫好きや実際飼っている男性に対して、変わり者、ナヨっとしてる、などのイメージがあるようで。一般的なジェンダー観とはギャップを感じるような男臭い職業(俳優、スタントマン、トラックドライバー、消防士など)、キャラクターの飼い主たちをあえて集めて作られている。

登場する飼い主たちは猫との出会いが人生を変えてくれたと口々に語る。一方で、やはり周囲の反応や見られ方を気にしてもいる。気にしながらも抑えきれない猫愛のままに猫との生活を選び、その素晴らしさと共に、幸福とは、男らしさとは、思いやりとは、ケアとは、生活とは、仕事とは、自らの男性観をアップデートしながら、より深く考え、より良く生きていく。取材中に起こる様々な出来事、特にコロナの影響が飼い主たちの人生をまた一層複雑に興味深く映し出す。

猫に限らず、カンパニーアニマルは確実に人生を豊かにしてくれる。物言わぬ動物が自分の鏡のよう。猫とおじさんたちの仲良し映像にほっこりしつつ、より良い人生についても考えられる、良作。