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パッチギ!のandesのレビュー・感想・評価

パッチギ!(2004年製作の映画)
3.1
評価が難しい映画、というより良いところと駄目なところの落差が激しい。コミカルな演出は慣れているだが、そんなに面白いわけではなく(白目とか変顔とか)、シリアスな演出は鈍重である(延々、泣き声と泣き顔が繰り返されるなど)。一方、キャラの立たせ方は良く、特に女性は魅力的。関西弁のリズムや台詞、感情の起伏などは監督の面目躍如だろう。
冒頭のGSバンドのシーンは長いし面白くもないので、かなり気が重かったが、カルチャーギャップものの色彩が濃くなるとと共に「見れる」映画になる。映画的(映像的)な演出は兎に角下手で、バスの横転シーン、繰り返される喧嘩、サッカー、宴会、葬式など意外と平坦な印象を受ける。舞台的というか役者頼み。
最後の抗争、出産、ラジオ放送と畳み掛けるところは数少ない映画的に盛り上がるカットバック。ただ、撮り方や動機付けは微妙なのは残念。
映画的な「設定」は整っており、川を挟んだ朝鮮人部落(まぁ、イムジン河と重ねておりわかりやすい)。「河」を泳いで渡った松山は、完全には受け入れられず橋を渡って戻るが、彼の想いは歌に乗り河を越える。松山とキョンジャ、アンソンと桃子が結ばれてめでたし。わかりやすい。
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