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パッチギ!のodyssのレビュー・感想・評価

パッチギ!(2004年製作の映画)
3.0
【ケンカ映画として】

井筒和幸監督作品。

1968年の京都を舞台に、朝鮮高校生と日本の高校生の抗争、そして日本人の男の子と在日の女の子の恋を描いている。 

全体としてケンカのシーンが多く、まあ一種の『ビ・バップ・ハイスクール』だと思えばいいようなものだが、青春映画としての出来から言うと、イマイチという感がある。だから、ケンカ映画として見るべきなんじゃないかな。 

68年の風俗はていねいに再現されているけど、当時を懐かしむ人がどのくらいいるのかなあ。

また、在日を扱った作品だからやむを得ないかも知れないが、作品全体の雰囲気からはみ出した政治的な説明が2箇所ほどあり、井筒監督の見識が問われかねない。
まあ、どう作ってもこの種のシーンにはクレームが付きそうな気がするけれど。

ちなみに、作中で歌われる「イムジン河」がどういう経緯で作られたのか、見る人はちゃんと調べたほうがよい。この映画が提示しているような単純な民族讃歌ではないのだから。
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