Maris

さまよえ記憶のMarisのレビュー・感想・評価

さまよえ記憶(2023年製作の映画)
3.9
辛い、、ただ辛かった。ひたすらに。
やるせないというのか。
心に波紋が広がって、回収できない感じというか。ひたすらに辛かった。

そして今当たり前に存在する、様々なことの稀有さを痛いくらい感じて、そのやり場のない感情を落ち着けるため、寝ている子どもを抱きしめに行きたい衝動に駆られた。
(実際、次の日、子どもにこの映画の内容を伝え「生きてて良かった」と伝えてました)

言葉にならない感情が身体の中に広がり、それが何なのかわからないまま残り続けるような。言語化できない、自分でもどういう感情なのか理解することができない感覚を、かなり久しぶりに味わい、見終わった後その感覚に面食らっていた。

そういう、もやっとしていているけれど確かに存在し、良い悪いみたいなものを超えて心の深いところに何かを投げ入れられたような。そしてそれが、湖面に広がる波紋のようにずっとそこにあり、問いを発し続ける様な。
そんな気がする作品だった。
Maris

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