うにたべたい

原子怪獣現わるのうにたべたいのレビュー・感想・評価

原子怪獣現わる(1953年製作の映画)
2.9
1953年のモノクロ怪獣映画。
監督は後に怪獣ゴルゴなどを手がけるユージン・ルーリー、本作に登場する怪獣はレイ・ハリーハウゼンのストップモーション・アニメーションで表現されています。
また、本作のヒットに影響され、「放射能X」や「海獣ビヒモス」など、放射能で巨大化する怪獣映画が多く作られるきっかけとなりました。
特に、日本のゴジラが本作の影響を強く受けて作成されたというエピソードは有名で、特撮史上重要な作品だと思います。

北極での核実験の調査中、物理学者の「ネズビット」は巨大な生物を目撃する。
ネズビットの証言は誰にも信じてもらえず、ネズビットは精神鑑定にかけられるが、古生物学者の助手である「リー」は、それは冬眠から目覚めたリドサウルスではないかと推測する。
その後の調査でリドサウルスは南下を続けていることが分かる。
やがてその巨大生物は、マンハッタン島に上陸するという展開です。

本作に登場するリドサウルスは作中では実在していた四足の肉食竜とされています。
放射能実験により目覚めましたが、巨大化したわけではなく、放射熱線のような特殊技もないです。
つまり、"怪獣"らしさのようなものは感じられず、現代に蘇った巨大な肉食竜という存在でした。
十分脅威ではあるのですが、怪獣映画としては不満な感じを受けました。
この頃はまだ怪獣というものそれ自体の定義が固まっていなかったためと思います。
そういう意味で、怪獣映画の黎明を感じました。

コモンセンス的に見ておきたい作品ですが、面白かったかというと微妙なところです。
悪くは無いのですが、古い映画だなーという感想。
見れて良かったですが、割と眠気との戦いになるので注意が必要だと思います。