かじドゥンドゥン

二十歳に還りたい。のかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

二十歳に還りたい。(2023年製作の映画)
2.8
不動産業で一代にして富を築き上げたテラサワだが、家族を顧みず仕事一筋に生きてきたつけが老後に回ってきた。現在は老人ホームで孤独に暮らしている。唯一の楽しみは、血縁もないのに自分を訪ねてきてはいたわってくれる女子大生アカリとの時間のみ。

或る日、アカリと高台に散歩した際、テラサワはアカリに促され、もしできることなら二十歳に戻ってやり直したいと神に願う。するとそれが叶い、二十歳の青年としてアカリと出会い、彼女の父の劇団で才能を見出され、スター俳優として成り上がる。しかし、天の声に、〈30歳までは誰とも結婚・婚約してはならない、無償の愛をまっとうせよ、それを破ればすべてを失う〉と言われていたにもかかわらず、30歳を手前にアカリから、自分と結婚してくれないのなら屋上から飛び降りると迫られ、やむをえず愛を打明けてしまう。

結果、夢は覚め、老いた姿でアカリとともに高台にいる場面に戻ったテラサワは、これでよかったのだと自分の人生を肯定し、そのまま息を引き取る。

総合指揮・原作は大川隆法(幸福の科学)。〈問い〉を投げかけるというよりは、〈答え〉を与えようとするので、説明臭く、説教じみている。宗教と芸術の岐路が見えたようで、勉強になった。