とらキチ

ジャイ・ビーム -万歳ビームラーオ/ジャイ・ビームのとらキチのレビュー・感想・評価

4.2
第5回インド大映画祭 ②
インド国内のカーストや少数民族に対する差別をテーマにした法廷ドラマ。
これはインドに限らず日本もそうだし全世界的に言える事なのだけど、“土地所有”という概念が希薄な非定住民族に対し、差別をするというのは何故なのだろうと思ってしまう。文化人類学的な共通性があるのだろうか。
インド映画における警察権力のクソさは、ある意味デフォルトなんだけど、今作はそれが特に酷く、胸糞悪さを通り越して呆れてしまうし、拷問シーンでは辛くキツ過ぎて気分が悪くなってしまう。
民主主義の根幹である“法の下の平等”のために闘う弁護士役のスーリヤさん。たまにパパイヤ鈴木に見えてしまう事が無きにしも非ずだったが、現場に出ての地道な証拠集めから法廷でのバトル…と見応えたっぷりだった。ただ、度々気になったのが、抗議のシュプレヒコールやビラ配りのシーンで映り込む“鎌と槌”。その他にも部屋にマルクスの肖像やレーニンの胸像があったりして、この人実はバリバリのコミュニストのよう。でも劇中では一切その事について触れていないし、主張的にもそのような事を感じなかったので、余計に気になってしまった。
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