柿トマト

さよなら ほやマンの柿トマトのレビュー・感想・評価

さよなら ほやマン(2023年製作の映画)
4.0
さよなら ほやマン

オンライン試写会で視聴。

宮城県石巻市の離島に住む兄弟アキラとシゲル。アキラは父の仕事を継いで漁師をし、弟の分まで働き生計を立てている。ある日東京から漫画家ミハルがこの島に訪れ、2人とともに、生活を始めるが…。

ちなみに「ほやマン」とは兄弟の父親が考案した町おこしのための“ほや”のキャラクター。今作でアキラは父同様にコスチュームを作成し、YouTuberとして一旗あげる夢を抱くことになる。

今回のオンライン試写はシークレット、いわゆる事前に映画の情報が明かされないまま行われ、冒頭の兄弟の父が作成した「ほやマン」のビデオ映像を見た時は正直がっかり(当選させてもらっておこがましいが…)した。このコメディ映画大丈夫か?…これを最後まで見させられるのか…と肩を落としそうになった。

しかし、そんな心配をよそに後半からは作品がシリアスになっていき興味を持って鑑賞。「東日本大震災がもたらした傷」「田舎での長男の問題。それに付随した、知的障害を抱えた弟を誰が守るのか」という結構な重いテーマが作品の根底に流れていることを知る。もちろん基本はコメディなので、前向きな着地をするのだが、自分にはこの問題が他人事として捉えることが難しかった。
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