時間を買うことが出来る近未来のお話。
貧困層が富裕層に自分の寿命を与える代わりに金銭を得られる。
かなり富裕層と貧困層との差が生まれている未来だとわかる。
パッと見、難民キャンプの規模からしてかなり裏がありそう。
どっかで聞いたような内容だな〜と思ったら『TIME/タイム』でしたね。
(あの伝説の吹き替え)
時間を買う会社AEONの営業マンが、自宅マンションを火事で失う。担保にしていた妻の寿命を奪われてしまう。40年も歳を重ねて老化した妻の姿は切なかった…。
時間を取り戻そうと社長に詰め寄ると、雲隠れされてしまう。そのうちに、実は社長が若返っていることに勘づく。
主人公はあれやこれや裏の組織と繋がって、妻の時間取り戻し作戦に興じる…。
この手のディストピア作品、メッセージ性やラストの提言について気にしてしまう質なわたくし。
今作はドイツ(ヨーロッパ)国内で抱える難民問題や格差社会について考えさせるキッカケを与えているように思えました。
主人公は難民出身で、自分も時間を差し出して対価を得たことによりチャンスを掴めた人間なわけだ。しかし、同じ時間を与えて対価を貰うことが、マイナスに働いてしまった妻を守る過程で、本来自分が所属していた会社と戦うことになった。
しかも、自分の中にあった正義が揺らいでくるあたりは、人間らしいドラマ性があったなと。
ただし、当の彼女が心変わりするとこはブレすぎだなって思ったし、何あのラスト。女。は?自分は若返ってよその男と繋がって妊娠して終わりかよ!と。
物語の1番の見せ場でもあった人質のやり取りのシーンもあっけなく終わってしまって残念でした。
あの音響、明らかに『TENET/テネット』から影響受けてるっしょ!!
ゾクゾク感はまあまあありました。捻りは少ないけど悪くはなかったです。