映画おじいさん

用心棒市場の映画おじいさんのレビュー・感想・評価

用心棒市場(1963年製作の映画)
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まるで『シェーン』を下敷きにしたテレビ時代劇特番のよう。
ただし子供(女の子)がちっとも可愛くない。わざわざ見つけてきたような可愛くなさの狙いは何か。
セットというか画に奥行きがなかったからテレビのように感じたのか、富士カラーの発色のせいか。とにかく画が安っぽい。

無銭飲食の木偶の坊が四股を踏む時に画面を揺らすという演出は、笑わす工夫かも知れないけど、こりゃ客をナメているなと誰もが感じるでしょう。
その木偶の坊が小さい蜘蛛に大騒ぎするというのも追い討ちをかけるような酷い演出。ぐったりした。

以降、緊迫するシーンで時計のカチカチという秒針の音を入れたり、いきなり朝日で美しくオレンジ色になった空の画を挿入したり、何だか苦手な演出ばかりだった。

大川橋蔵に歌を二度も歌わせたり、松方弘樹に百面相させたりと、これは二人のアイドル映画だと思えば目くじら立てるほどでもないですね。

印象に残ったシーンは、橋蔵が居酒屋で賭場がどこかと聞くと女将・赤木春恵が「この街には親分がいなくてね。賭場もないんですよ」みたいなことを言うところ。口ぶりからして、親分(=ヤクザ)を街の必要悪と思っているようだったので。

『用心棒市場』というタイトルはどこから来たのかな。