わかめ

ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワーのわかめのレビュー・感想・評価

5.0
映画(特にハリウッド)における女性の客体化について知る第一歩としてとても良いものだと思う。

過去の名作を参照し、いかに女性を客体として扱ってきたかを解説してくれるが、だからと言って作品そのものの価値を否定している訳ではない。あくまでフレーミングやカメラワーク、ライティングなど恣意的な演出の指摘であり、それはいずれも映画研究には必要な視点である。
(もちろん、ストーリーの文脈的に女性を客体化する必要があってそうしている映画も参照されます。)

私はこれまでどんなに好きな映画の中にでも女性を客体化した表現が多いことに引っ掛かりを感じていたので、この映画を多くの人が観てくれることに救われるような気さえする。

「家父長制のプロパガンダ」という表現について「いやいや言い過ぎだろ笑」と思う人もいるようだけど、この映画の中ではいかにプロパガンダ的かという点もしっかり論拠を示して解説している。

同意するもしないもシネフィルなら観ておく必要がある1本。
映画史の勉強にもなると思う。
これからの映画の発展に期待したい。
わかめ

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