あ

ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワーのあのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

私も洋画の影響を大きく受けており、女性を性的にしか見てないことがよくあるなと改めて反省した。男性のまなざしを具体的に説明していてとても勉強になったが、疑問に感じるところが2点あった。

●映画の引用の仕方は正しいか?
冒頭から使用されている「ブレードランナー2049」のピンクの大女の場面。あのキャラクターは男のために作られたバーチャルな恋人なので、男性のまなざしで撮られていることは適切だ。
「ブレードランナー2049」は観たことがあったからそのことに気付いたが、他の引用も映画の主旨やキャラクターを考慮せずに切り抜いて都合よく使用しているのではないかと疑問を覚えた。

●黒人と少女の映画の引用で
引用されたある黒人と少女の映画では、男性と女性の主体と客体を逆転して映していたのだが、その映像にだけ観せる前からこの映画は「差別主義のゴミ」というコメントを聞かせ、流した後も「不快な映像をお見せしました」と監督が言う。黒人を扱っているデリケートな問題だからなのか、どちらにせよこの映像にだけの過剰な反応だった。

上記の2点はこの映画の公平な視点を欠く重大な疑問点だと考える。公平な視点を失えばこの映画がブレインウォッシュしていることになるのだから。
トークイベント付き上映に行ったが、解説の大学の先生がこの点に触れていなかったのが残念だった。
あ