Uえい

ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワーのUえいのレビュー・感想・評価

3.5
これは毛色が違っていて、メンケス監督のプレゼンテーションを再構成した作品だった。これが一番面白いし、見たことによって今後の映画鑑賞における視点が増えた気がする。

内容は、映画のにおける"男性のまなざし"とそれによる影響だ。今の映画は、男性監督、男性撮影監督、男性主人公、その客体としての女性という構図で描かれていて、観客も異性愛者の男性の視点で楽しむしかないという作りになっているという主張だ。

色んな映画における客体としての女性を映す典型的な手法が紹介されるが、確かにそうかもと思える説得力があった。そして、この型によって現実の女性へも、同じ視点になるように矯正され、セクハラや雇用機会の偏りが解消され無い。その為、新たな視点での映画製作が必要だという主張に思えた。

バザン的な映画の力を信じるが故の結論だと思うが、アメリカほど映画の力が強く無い日本でも同じ状況なのを見ると、因果関係は逆なのでは無いかと思った。でも、新しい視点を模索するのは凄いし、近年のフェミニズム的な運動の流れで色んな監督が発掘され日の目を浴びているのはいいなと思った。
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