えいがうるふ

突入せよ!「あさま山荘」事件のえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

1.8

このレビューはネタバレを含みます

犯人との対峙よりも、そこに行き着くまでの県警と警視庁の面子争いのグダグダドラマを延々と見せられるホモソ組織のウザさが詰まった作品。しかも寒冷ロケ地での滑舌のせいか録音技術なのか分からないが怒鳴り合う人々の台詞が全然聞き取れずストレスでしかなかった。
長尺ながら連合赤軍の成り立ちや山荘に立てこもった経緯など犯人側の背景は一切語られない。要するにこの事件をそもそも知らない観客はお呼びでなく、あくまでもリアルタイムで当時の状況を知っていて何らかの思い入れのある人向けの作品なのかもしれない。と思えば自分に響かなかったのも当然か。

現地で実際に対応に当たった人々は皆事件解決に向かってそれぞれに真剣に仕事に取り組んでいただろうに、この映画を観る限りでは指揮系統の混乱や下っ端の凡ミスなどダメダメ描写ばかりでむしろ双方とも残念な組織にしか見えない。真相がそうでなかったとしたらむしろ失礼な作品に思えた。
最後まで男らしく現場を仕切ってやりぬいた主人公(=原作者)を身近な人間に見せようという帰宅後の演出も「やっと終わった」感しかなく、いったい何を伝えたかったのだろう。

それにしても、銃で撃ってくる相手に対し、大の大人が集まってせーの!で石を投げたり水をかけたり・・「運動会か!」って台詞があったけどまさにそれ。当時はそれが精一杯だったとして、もし今同じような事件があったら日本の警察はいったいどのように対応するのだろう。やはりギリギリまで火器は使わないのだろうか?

キャストだけは素晴らしく無駄に豪華。個人的には松尾スズキの芝居がよかった。