とむ

突入せよ!「あさま山荘」事件のとむのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

タイトルバックの流れが完璧。
これから始まる壮大な闘いの幕開けに相応しい音楽と導入。これだけでもう面白い。

常に忙しなく動き回る登場人物たちと、それに応じる様に駆け回る編集によって表現される当時の様子から、本当にこうだったんだろうなぁと臭わせる説得力がある。


ただ緊迫した忙し無さというよりは、そこに原田眞人特有のユーモアを織り交ぜているのが原田節。
人間ドラマ、シリアスかと思いきや、
前半はかなりコメディ映画でした。

「わたしが」「です」「か?」とか、
頭ぶち抜かれて飄々としてる新潟のおっちゃんとか、序盤で「ア"ーーー話通じねぇ!!」という様な口パクをする役所広司とかで爆笑。
間違い!!解散!!ミス!!お疲れ!!

もはや「突入せよ!」っつってんのに全く突入できない本編自体がギャグ。
県警が無能なんだもの。参っちゃうよ〜。


しかーし、本編の半分を超えた辺りでシリアスに振り切る。
人が死に、偶然助かり、極限で錯乱する。
長い時間をかけて、一人の人間を助けるために多くの人が傷ついていく。
現場はグッチャグチャにミキサーにかけられた様に振るわれる。

ここまで「自然」なグダグダを描ける原田眞人の裁量に脱帽。
シン・ゴジラでさえもうちょい計画的でしたよ。


荒川良々の発言が印象的。
「パイプ爆弾怖くね?」「怖いよ。でも誰かが行くんだよ。だから俺でいいんだよ。」


カットバックで死んだ仲間が表示されるシーンは、クライマーズハイで記事を打ち出せなかったあのシーンに似ているし、
っていうかこれ、描いている事は
「日本の一番長い日」だよね。ある意味。
そりゃあリメイクの監督頼まれるわ。


ヘラクレスを辞めることを決意した佐々だが、結局はこの後だってヘラクレスを続けるのが佐々さんなんだろうね。
とむ

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