円柱野郎

突入せよ!「あさま山荘」事件の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

佐々淳行の『連合赤軍「あさま山荘」事件』を原作に、山荘に立て籠もる赤軍派に対峙する警察官達の姿を描いたドラマ。

鑑賞しての印象は、七実三虚ぐらいで色々と脚色されているんだろうな、という感じ。
主人公は佐々淳行なので、この事件を警察側の視点のみで描き、事件の背景などは特に説明されない。
要するに、ある事件が発生したときの県警と警察庁側の軋轢、そこから発生する不手際、そして事件解決への男達の熱意を描こうとした、警察機構という“会社”を描いた作品なんだよね。
そう思えば、個人的にはこの映画のような一方的な視点も、ある種のエンターテイメントの表現としてはアリだと思う。
当時、本気で学生運動に身を投じていた人は納得できないかもだけど?

一方的というのは、割り切って実行犯を“エイリアン”化させ、主人公側だけに感情移入させるようにしている部分。
だから佐々淳行と対立する側の長野県警も、足を引っ張るだけのマヌケに描かれているんだけど、この辺が真摯な社会派とは違うエンタメ派の映画に見える由縁かな。
でも、ダメな組織を主人公のリーダシップで引っ張って事件を解決するという構図は、やっぱり痛快だし見応えはあったと思う。

というわけで、この映画は娯楽映画だと思って観れば、面白い。
そこを勘違いして真面目に捉えて観ると、納得できない部分が多く出てくるかもね。
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