スガシュウヘイ

突入せよ!「あさま山荘」事件のスガシュウヘイのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

1972年のあさま山荘事件を、警察側の視点で描いた作品。
本作の大きな特徴は、これほどの大事件を扱うのに、犯人をほとんど出していないという所だと思う。犯人の顔。犯人の主張。犯人の動機。それらはほぼ省略されている。映画で事件を扱うのに、普通そんなことってあるか!?

でも徹底的に警察視点であることが、私は面白いと思う。


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社会派作品を多く手掛ける原田監督の原田節が炸裂。この監督の作品は、登場人物がみんな早口でまくし立てるため、何を言っているのかよく聞き取れない。
特に、突入してからは、もう誰が何をしゃべっているのか半分ほど不明である。
しかし、そこには確かな緊迫感があり、「聞き取れない」というのが、むしろ一つの演出のようになっている。

警察内部の対立。民間人犠牲者。記者会見。パイプ爆弾。鉄球作戦と突入。機動隊と指揮系統の混乱。そして殉職。


骨太な作品であることは間違いない。


公開:2002年
監督:原田眞人(『クライマーズ・ハイ』『日本のいちばん長い日』)
出演:役所広司