MasaichiYaguchi

野球どアホウ未亡人のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

野球どアホウ未亡人(2023年製作の映画)
3.7
インディーズ映画を手がけてきた小野峻志監督と映画製作団体「カブ研究会」が、昭和のスポ根・野球漫画とポルノ映画のエッセンスを掛け合わして描いた、異色でカオスな野球映画は、借金返済の為に草野球の投手を務めることになった未亡人が、徐々に快感を覚えていく姿を描く。
夫の賢一が亡くなり、草野球チーム「多摩川メッツ」の監督である重野に野球の才能を見いだされた夏子は、貞淑な妻として、ごく普通の主婦としての生活は終わりを告げる。
賢一の残した借金を返済する為に草野球の投手を務めることになった彼女は、重野と共に激しい特訓を重ねるうちに、野球の快楽性に取り憑かれていく。
義妹の春代やプロ野球スカウトマンの古田ら一癖も二癖もある人物たちに囲まれ、夏子は歩みを進めていく。
夏子を映画初主演となる森山みつきさんが演じ、夏子を野球の道に引きずり込む重野を、「とおいらいめい」「特撮喜劇 大木勇造 人生最大の決戦」等の藤田健彦さんが演じている。
端的に言って内容のある作品ではないが、戦争や震災、物価高と昨年から暗いニュースが多いこの頃、一時、頭を空っぽにして「野球教」にドップリ浸り、笑って過ごせる本作は、或る意味、デトックス映画と言えるかもしれない。