貴公子のラト仕様のネタバレレビュー・内容・結末

とにかく面白かった！！
この作品の本来の主人公は一応マルコ・ハンの筈なんだけど、彼は最初から最後まで周囲に振り回されるだけで活躍する場面が一瞬たりともないのを見るに、この作品の事実上の主人公を位置付けるのはキム・ソンホなんだろう。（実際ポスターの一面をどデカく飾ってるのも彼だし）
とにかくアクションが派手で見応えあるし、なんといってもキム・ソンホの造形が秀逸。あんなに超人的な戦闘スキルを持っていながら、銃弾が掠っただけの片足を痛そうに引きずって歩いたり、作中に登場した人物のほとんどを手のひらの上で転がす賢さを持っているけど、自信家が故に根拠の乏しい思い込み、慢心をしてしまう節があって、そのせいで無免許のヤブ医者に治療費を騙し取られてたり、リアルでかつ愛嬌のあるコミカルなキャラとして仕上がっている。
作品中盤あたりまで主人公の味方になってくれる人物が1人も居ないのに命を狙ってくる奴はわんさか出てくるのが見てて気の毒だったけど、クライマックス間近で一番強大な男が実は主人公側だったと発覚し、おかげで意外にもハッピーエンドで終幕。もっと暗くてシリアスな雰囲気の作品を想像してたけど、これはこれで大いにアリかな。