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貴公子のmaroのレビュー・感想・評価

貴公子(2023年製作の映画)
4.0
2024年日本公開映画で面白かった順位:31/46
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★★☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★☆

全編を通して半笑いの殺し屋がターゲットを執拗に追いかけるアクションノワール。
テンポよく進むしアクションもかっこいいしで面白い映画だった。

この映画は、貴公子(キム・ソンホ)のキャラクターが一番の見どころ。
常に半笑いで何を考えているかわからない。
マルコ(カン・テジュ)には「キミが生きている中で最後の友達」とだけ言い、正体は不明のまま。
で、逃げ惑うマルコを執拗に追いかける。
ニヤニヤしながら。。。
でも、メッチャ強いのよ。
実はマルコって別の組織からも狙われてるんだけど、貴公子ひとりでそいつらをフルボッコ。
そのシーンはまさに韓国版『ジョン・ウィック』かと思ったほど(笑)

いやー、本当に韓国はこういうバイオレンスな映画を作るのがうまい。
邦画のアクションと何が違うんだろうって考えながら観てたけど、ざっくり言っちゃうとキレ、、、かなあ。
アクションが速いんだけど、止めるところはしっかり止めて、動きに緩急があるというか。
あと、攻撃がヒットするときの効果音が生々しいかな。
特に鈍器で殴るときのグチャって音や、鋭利なもので刺すときのザシュって音がけっこう耳に残る。
そして、出血が多い。
「そんなに顔に血つかないだろ」ってぐらい全顔にベッタリ血がつくから、先の効果音と相まって痛々しさが増す。
これはもう韓国の十八番だと思う。

総じて面白かったんだけど、最後のオチはけっこうあっけないというか、それを知っちゃうとすべてが茶番じゃんっていう(笑)
どうせなら貴公子がねー、けっこうポッと出な感じだったから、「実は子供の頃、あの養護施設で……」みたいな設定だったらよかったのに。
あれ、もしかしてそういう設定だった?
だとしたらわかりづらすぎる(笑)

マルコもボクサーという設定ならもっと闘いに参加して貴公子とバディ組んでもよさそうなのに、強い割には逃げてばかりだったので、もう少し見せ場があってもよかったかも?

そんなわけで、世界観や振り切ったキャラクターという点では面白い映画。
暗く暴力的な映画なんだけど、貴公子がいい具合にゆるさを出してくれているので、従来の同ジャンルの映画と比べるとまた違った雰囲気が印象的でした。
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