心と体と頭脳が完全独立して機能しているサスティナブル人間の“貴公子“キャラに心奪われる。
いやもうこれは、とんでもないクールホットなおめでた無双野郎です
超人技を隠し持つ恐ろしくスゲー奴なのにしっかり生身の人間丸出しで、既にキラーマシーンとしてメンタル破綻しているはずなのに、優秀な店員さんのようなサービススマイルを絶対忘れないという、もうどーなってんだこの男⁉︎
貴公子というのはコードネームでもなんでもなく、キザったらしい立ち居振舞いで、ダンディにスイスイと業務?をこなすコイツの見た目のこと。
しかし、侮れないほど嬉しい野郎なんです
貴公子の最大の武器は、満面の笑みから高笑い、薄ら笑い、せせら笑い、冷笑、小さな微笑みに至るまで絶えず見せる笑顔七変化。
チッ!とか言いながら顔は笑っている。
全力疾走しながら笑い出すところは、たまらず笑ってしまった。
俺はプロだと自らアピールして、チング(=友だち)としか名乗らない、おともだちって20世紀少年かよ
(このチングにも意味があることが、終盤でわかる)
こんなニュータイプのバイオレンスエリートが主人公です
※韓流バイオレンスですので、痛そう度数高め、血量マシマシです
【貴公子】
「新しき世界」で見せたフィルムノワール(韓国ノワールと呼ばれている)の最高のキレ味に魅せられた、パク•フンジョン監督の新作。
フィリピンで重病の母の手術費用を稼ぐため地下のファイトクラブで拳闘を続けている青年(カン•テジュ)が、会ったこともない大富豪でもある韓国人の父親から呼ばれて、韓国に住む一族の遺産相続に巻き込まれて行く話。
そこに先述の貴公子(キム•ソンホ)と暴力的な一族の連中が絡んで、次々とフル回転で展開する追跡劇に引っ張り回されて行く…
直線的なストーリーながら、貴公子の存在そのものが謎だらけのまま突っ走るので、ドラマの流れに没頭させられる。
フォロースルーゆるめな終わり方を見る限り、いかにも続編が作られそうなアロマ感が漂っていたが…
そうなると“貴公子ムーヴ“というワードとか生まれるかもしれない。
《コピノ》
コピノという言葉が出てくるが、これが重要な裏テーマにもなっていて、一般的には韓国人とフィリピン人の間に生まれた子を指す造語らしいが、フィリピンを訪れた日本や韓国の観光客が遊興で孕ませて、認知されないまま生まれて、貧しい環境で生きるしかない子供たちがいるのだという。
また日本人が…