貧しい青年マルコが突如としてプロの殺し屋に命を狙われるお話。
地下格闘で闘いながら日銭を稼ぎ、時にボクサー賭博に興じながらも過ごすマルコの日常がたやすく崩れていく流れ、追い詰めっぷりの描写はこの監督らしいですね。
降りかかる災難をどうくぐり抜けていくかがスリリングでした。
……主人公はマルコだと思っていたのですが、副主人公である貴公子（殺し屋）がキャラ的にも光ってますねえ。
ま、W主人公ってことで勝手に納得しておきます。
今作の見どころは追いかけっことカーチェイス（それもベンツ！）それと貴公子のスタイリッシュなアクション&容赦のない殺しっぷりですかね。
個人残念ポイントはマルコがボクサーなのに逃げっぱなしでさほど闘わなかったことです。
銃や武器に対して拳で応戦する姿が多少なりとも観たかったですね。
いやまあボクサーがリング外で人殴っちゃいかんだろってのはありますけど。
貴公子含め悪役のキャラが濃いので退屈せずに観賞できました。
自分のことをプロと称したり、雇われたわけじゃないよ個人事業主だよ。と返したりと殺し屋なりの矜持や人間性が台詞で感じ取れましたもの。
そんな貴公子とマルコの友情、少しずつ人間味を見せる展開も○
やや一方的ですし、ストックホルム症候群みたいなところもありますけども。この二人はこれでいいと思えます。
マルコが「雑種」と呼ばれていたのに引っかかっていたのですが、種明かしで驚きました。
「雑種」ってそういう意味だったんですね。
貴公子がなぜマルコにちょっかいかけていたのかもわかって納得でした。
続編も作れそうな終わり方でしたのでもし2が出たら観たいですね。
