ハル

貴公子のハルのレビュー・感想・評価

貴公子(2023年製作の映画)
3.9
『The Witch/魔女』や『楽園の夜』の監督ということで、難しく考えずサクッと楽しめるタイプの作品。
まさに韓国ならではのノワール&ヴァイオレンスを見せ付けられた。

相続問題に巻き込まれた貧困男性、フィリピンからいきなり韓国へ連れてこられ突然命を狙われまくる謎展開。
そこに拍車をかける男が「俺はプロだから」が口癖のニコニコ王子。
一応設定はあるし、徐々に明かされていくものの、正直そこはどうでもいい。
ただただ“貴公子”さんが縦横無尽に暴れまくるのを刮目するのみ。
「俺は君の最後の友達、だって君すぐ死ぬからね」ニコリ。
彼こそ、生粋のサイコパスだ。

“魔女”のキム・ダミ同様、圧倒的なまでの無双モードで降りかかる火の粉を蹴散らしていく。
相続、家族内紛争も最終的には…となってきて、もはや全ての話が?となる半ば強引な構成も御愛嬌。
それでも不思議と面白く感じさせてしまうのがコリアンムービーの強みだね。

キム・ソンホの掴みどころのない表情と行動も役柄とマッチしており、カッコイイのにお茶目でサイコで最高だった。
頭を使う映画に疲弊した時は、こうした破天荒な作品でバイブス上げていくのが良き!
事前情報一切無し、劇場へ足を運べばそれだけでOKな快作でした。
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