このレビューはネタバレを含みます
前半の展開から、自然分娩礼賛映画だったら嫌だなと思っていたが、それよりは寧ろ、これから技術的に妊娠の苦難を取り除けたとして、それが例えばペットショップに見るような、命を商品や消費物と映る危険性はないのだろうか？と不安に感じていることを率直に描いているのかもなと感じられた
だからこそ、最後のシーンは人の慈しむ感性や愛情を信じ、そうはならないはずだと信じたいという願いなのかもとも思う
思考実験を思い起こさせる意味では「プラン75」と似た印象はあったものの、本作の直感的な不安や希望を描く雰囲気は受け止めやすく、こちらの方が腑に落ちる感じはあった気がした
そうは言っても、こちらも根本の問題を上手く回収しきっているとは思えず、学者とエリートが揃って考えなしに行動する終盤は、この人たち本当に命を扱ってる自覚あるのかな？と倫理的にも疑問に感じる駆け足ぶりだった
