卵形の人口子宮(ポッド)で、子供を授かれるようになった近未来。
大手IT企業に勤める妻と、植物学者の夫が”妊娠“を願う。
なるべく自分のキャリアを犠牲にしたくない妻と、人間は自然に生きるべきと考える夫の価値観の対立がドラマを生む。
当初はポッドの使用に反対してた夫が、ポッドと過ごすうちに片時も手放さないようになっちゃうの、完全にペットを飼うの反対してたのにあっさり虜になるオヤジなのが可笑しい。
逆にポッドと過ごす時間が少ない妻は、なかなか母になる実感が持てない。
妊娠・出産というイシューが前面にでているが、コレはテクノロジーと人間の関係性を描いた話でもあり、自然との距離感や人はどこまで利便性を求めるべきかなど、幅広い問いを内包している。
ペッパーくんも久しぶりに見たな。
出てくる技術はたぶん20年くらいの間には実現しそうなリアリティがあり、近い将来の生き方のシミュレーションとしても興味深い。
テクノロジーの恩恵は受け取るべきだけど、要はバランスをどこに見出すか。
考えさせられる佳作。
