幽斎

ワン・マスト・フォールの幽斎のレビュー・感想・評価

ワン・マスト・フォール(2018年製作の映画)
3.0
C級スリラー(ホラー)をレビューする、Scavenger第36界。原題「One Must Fall」直訳すれば貴方は必ず堕ちる?、うーん(笑)。One for all All for one、フランス三銃士の誓いの言葉なら知ってるけど。AmazonPrimeVideoで440円鑑賞。

遂にレビュー時点で誰の書き込みもない未体験ゾーンに突入。正にスカベンジャーの誉れ(笑)。本作は劇場でしっかり公開され、トランスワールドアソシエイツでは無く、STS entertainmentで価格も強気。だけど制作はアマゾンの表記2023が出鱈目で2018年と結構古い。ジャンルはコメディとホラーの中和剤的なスタンス。作品の内容はFilmarksのあらすじに隅から隅までずずいーっと書いてるので、私から申し上げる事は何もない。

「特殊清掃業」日本なら孤独死や自殺現場の掃除。X(Twitter)に誰でもなれる!超儲かる特殊清掃業、みたいな広告を良く見掛ける。実際は遺品整理や処分に加え、遺体の腐敗でダメージを受けた室内の原状回復で、単価の割には匂いが酷く鼻が結構キツイ。アメリカではCrime Scene Cleaners、警察の管理を離れた持ち主の依頼で行う。アメリカと違い日本は心理的瑕疵物件に告知義務が有る、引っ越しの方は是非「大島てる」も一読あれ。

私はミステリー趣向なので殺人現場はマストですが、グロいだけのホラーは意味が無い故に嫌悪感MAXですが、グロ耐性の方や対人関係が苦手な方は一念発起して独立を考えても良いかも。特に前半は興味深く観れると思う。実際の現場では、腐敗に依る体液が付着した遺品も、故人の分身。尊厳を守る為にも作業中に、某引っ越し会社の様に遺品を足蹴にするとか、放り投げる行為は厳禁。独立した場合の年収は500万程度らしい、高級食パンや唐揚げ店を開業して一家離散するより堅実だと思う、知らんけど(かまいたち風(笑)。

スリラー的には出オチ一発なので、「特殊清掃業」×「殺人鬼」面白いアッセンブルには違いないが、至って何処の馬の骨か分らない無名監督なので、低予算の常と言うか哀しさと言うか、肝心な殺人鬼の手持ち無沙汰が観客に〇バレ、ホラーなのに会話劇でお茶を濁して尺を稼ぐ典型的なダメ映画。85分の上映時間も蛇足に過ぎる。登場人物の設定も混乱してる様にも見え、プロット的には面白いのに、色々と残尿感も感じた。

昔ありましたね「目の付け所かシャープ!」一点勝負の顔面損壊のインパクトで何とか乗り切った事で特殊清掃も楽じゃない、どんな仕事も楽じゃない的な教訓は得られた、かもしれない。無駄にお洒落なエンドロールには笑ったが、実はラストの伏線はしっかり有ったので、まさかの続編?、いやもうご勘弁を(笑)。

「お前の死体は誰が清掃するんだ?」ソレは別の業者だと思うので、暇潰しに為るかも。
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