トゥーン

ラ・メゾン 小説家と娼婦のトゥーンのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・メゾン 小説家と娼婦(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

自分の仕事に誇りをもてるかどうか。
必ずしも買う側の人間が上にいるとは限らない。セックスを知らずに教えてもらう人もいたり、縛られ鞭で打たれたりと、快楽のすべてを握られ、悦びの顔を見せる。そうした喜ばせられることに対する献身の心がある一方で、そのお返しはなく虚しさもあるという。ただし、扁桃炎にかかったとき、客の医者が無料で診察したシーンは繋がりでもあり、決して一方通行のコミュニケーションではないように感じた。もちろん、ほとんどの場合一方通行だろうが。
しかし、この映画は致し方なく娼婦になった人を描いてはいないし、また日本の場合、超激安店や即尺店などの危険性や人道性を無視した店舗があるのも事実で、本当に娼婦を美化していないかというと、ただ優良店で働いただけで娼婦のすべてを体験したわけではないし、何も知らない。表層を掻い摘んだだけにすぎず、この映画から新たな発見はない。
「一人は寂しいけど、二人でいると窮屈だ」こういう人にとって、一人ではないけど、お互い全く素性を知らない二人でいられる娼婦は都合が良いのだろう。
好きなシーンはエマの新しい恋人とのセックスだ。彫刻と一緒のポーズを取りながらセックスする様子は官能的であり、歴史性を帯びていた。
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