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ファッション・リイマジンのseapointのレビュー・感想・評価

ファッション・リイマジン(2022年製作の映画)
2.5
コンクールで優勝し賞金を基に有意義な使い道にフォーカス。別のドキュメンタリーや「グリード ファストファッション帝国の真実」やらでも例えばバングラデシュなんかは最低の最低賃金で服を生産する。その大量生産服の破棄は年3/5!昔はオートクチュールやプレタポルテは富裕層のみだった。庶民も一張羅とヘビーローテーションの普段着。綻びを修復し服を長持ちさせていただろう。ファストファッションのような雑な縫製でなければコートなんかは長年着られる。

そして環境問題だけでも世界的に山積み。ゴミの分別、プラスチック、エコ…ファストファッションはその価格も一因。高級ブランド服は元を取るまでとは言わないが長年愛用できる。しかしその類の服はあえて再度言うが、安かろう悪かろう。凝ったデザイン、質の良い生地ではなくともトップメゾンのような模倣デザインで安価なら多くの庶民はそれらを手にするだろう。

この映画はもっと根源に。衣の発生る所からだ。オーガニック、流通にも多くが関わっていない独占的な、生産者がの目が届く範囲の生産。はぁ、そこからようやく衣類の材料となり服になっていく。もうここではデザイン云々と言っている場合ではない気がする。まぁ軌道に乗ればデザインに集中できるが。一昔前ならデザイナーはデザインを、それに繋がる生地をサンプルから選定だが、生産からというのは…
ゆえに価格も安くはなく、数に限りもある。無駄な消費にはならないが。

高級ブランドもファストファッションもどうなっていくのだろう。例えば革。ここではきのこから革とあったが、将来的には動物の革製品の鞄、衣類、靴などアンチになるのだろうか、非難されるのだろうか。革製品で有名なグッチなんかはどうなるのか。これはこれで手入れさえきちんとすれば末永く使用できるのだよ。現在YSLの個展が行われているが、クチュールでは羽も革も使用。それこそ贅沢の数々。生産規制をしてこういうのが無くなるのも嫌だな。
今後のこの業界の行く末、注視だわ。
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