建野友保

私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?の建野友保のレビュー・感想・評価

4.0
原発技術の海外生産移転を巡る社会派サスペンス、という大上段に構えた部分もありますが、ポイントは主人公が若い頃に受けた肉体的・精神的な苦痛という、一人の人間に収斂した普遍的なテーマ。その構成が現代的だと感じました。
労働組合の執行委員長として経営陣に対して一歩も引かない、肩で風を切る強い女性、しかし過去にはトラウマのように刻まれた記憶をもつ女性を、イザベル・ユペールが見事に演じきっています。台詞を言わずとも存在感を示すユペールに、改めて惚れ直しました。
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