原題は、組合活動家。
民主主義発祥の国とも言えるフランスで、原発企業の組合代表の女性がこんな非道に遭っていたという事実を知れただけでも大収穫。
フランスに今でも憲兵がいるというのも驚きだ。
【以下、ネタバレあり注意⚠️】
その憲兵の捜査官が主人公を冤罪に陥れるが、彼も原発企業側から圧力や袖の下をつかまされていたかと邪推したくなるところだが、あえてその辺には踏み込まない。
劇映画だが、なるべく実名を使い、事実に忠実に作劇しているからだろうが、いま一つ、全体にもどかしい感じもする。
モーリーンが尋問に根負けして虚偽の自白をしてしまうあたりや、最後に字幕で解説される裁判後に訴えを取り下げたという事実には腑に落ちない感が残った。
検視官によるナイフの一件の再確認など相当に酷いセカンドレイプだと思うが、イザベル・ユペールの演技は、どこかノンシャランとしていて、あまり悲壮感を感じさせない。名優なのかも知れないが、ミスキャストを疑う。