mimimom

変な家のmimimomのレビュー・感想・評価

変な家(2024年製作の映画)
3.0
原作の完成度が非常に高かっただけに、期待しないで観た。あのような濃い内容をどう映画にまとめるのか。
「そもそもこんな話じゃないよね?」とまず、観ながら気づく。
原作はミステリーだけど、映画の方は音や視覚で怖がらせる。ホラー映画に近い。「あの成り行きで、雨宮は死ぬはずないということがわかってしまって興醒め」と一緒に観た人が言っていた。原作に出てきた箇所についての裏付けは映画では違う理由になっていた部分もある。言ってしまえば、そもそも原作とは別の作品に成り果てているのだから、無理やりつまらない裏付けをしなくてよい。たとえば、窓に映った少年の影など。観終わって、映画での出来事にひとつひとつ辻褄合わせをした結果、いくつかの疑問。①綾乃や柚木のお父さんが亡くなったのはおそらく自殺で、精神を病んでしまったこと。病んだ理由は左手供養の異常さ、だったのだろうか?②三つ目の左手首は、おじいちゃんによって供えられ、うしおさんへの供養は終了。しかし、綾乃の母は「もうすぐ左手供養の季節ねえ」と綾乃へつぶやく。綾乃は本家で最後の供養が終了したことを母へ伝えていなかったのだろうか?伝えてもなおそのようなことを言ったのだとしたら、あのお母さんはただの殺人鬼?③雑木林でのバラバラ死体は二つ目の手首?心臓発作でなくなった知人(最初の手首)ではない?

映画しか観ていない人、是非原作をお読みください。完成度の高い出来に感動します。原作本は、全て会話形式で進んで大変読みやすいです。

映画、原作とも救われたのは、綾乃がトウヤくんを実の子供のように大事にしようとしていたところです。トウヤくん幸せになって。
mimimom

mimimom