RyotaKondo

変な家のRyotaKondoのレビュー・感想・評価

変な家(2024年製作の映画)
1.0
あのスタイルでなぜか生配信風味だったり、というか単なる実話怪談を紹介するだけっぽかったり、そこそこ人気という割に余裕で不法侵入したり、とりあえず主人公の設定部分と原作者のイメージの乖離が、それ自体は致命的ではないにしても開始早々にノイズだった。

原作では丁寧なロジックを積み重ねる「妄想」が、大幅に端折られて結論だけを矢継ぎ早に繰り出すため「そんなわけねぇだろ」という無茶さだけが際立ってしまい、原作的には最も秀逸な「情報開示それ自体」のエンタメ性がおそらくは信じられなかったであろう制作陣が、情報処理はテキパキやりつつ、怖げなシーンをどれだけ入れるかに注力している。

本家の間取りや開かずの間はそれ自体で意味があるわけじゃなく本格ミステリ的な謎解きに紐づいてるはずなのに、「隠し部屋がある」という事実自体で怖がらせたり面白がらせようとしている。

何よりも、話運びの強引さや、登場人物の行動原理の不明瞭さを、すべて「まぁホラーなんで」と見ないことにしているっぽいのが度し難い。ジャンル性が不出来や雑さの言い訳に使われている。

なので僕からは一言、ホラー舐めんなと言っておく。
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