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パリ・ブレスト 〜夢をかなえたスイーツ〜のseapointのレビュー・感想・評価

2.8
実話かぁ。移民で生活困窮者、「1640日の家族」でもあったように里親の元で育つことって結構あるんだな。里親の息子がパティシエであるから家にある材料やらでお菓子を作ることは精神的支えであったかと思う。最初はヤジットの幼き頃と現代の人物像が重ならなかったんだけど。

パティシエの中のパティシエは生まれながらの味覚の繊細さ、鋭さ(料理人なら誰しも)、想像性と感性。最初に登場する彼のパリブレスト。ほほぅ、通常のパリブレストではないのだな。パリッとしたショコラを割るとトロリとしたクリームが溢れる。よだれも溢れる。
匠に言われる切磋琢磨せよ。彼はそれをすることを全く苦痛にに感じず、むしろ時間が許されるならいつまでもやりつづけるだろう。無我夢中になれる人間は素晴らしく羨ましい。

選手権はバランスと協調も重要。おぉ、製氷もパティスリー技術の一部なのか。事前練習をしても時間と連携、その場の緊迫さ、突発的アクシデントだってある。観客はやんややんやのお祭りだが、フィジカルとメンタルの消耗が激しい。歴代ランクを覗くとおぉ、日本も健闘している。本当の話だから一緒になって応援してしまう。あぁ、食べてみたい。感覚を研ぎ澄ませて味わいたい品々である。彼、あの若さでロブションやデュカスで働いていたなんて。いやはや。
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