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パリ・ブレスト 〜夢をかなえたスイーツ〜のdenzocinemaのレビュー・感想・評価

4.0
大学生のとき、名古屋郊外の藤が丘にある「サンライズ」と言うカフェで「パリブレスト」を初めて食べた。
それはシュークリームに近いスィーツ。
その美味しさに驚いてそこのお店に行くと必ず注文した。

そのケーキは自転車レース「パリ・ブレスト・パリ」(往復1,200km)が由来と知ったのは最近のことだった。
そして「パリブレスト」の形は自転車のホイールを模したもの。

ちなみに藤が丘にあった「カフェ サンライズ」は「ピッツェリア マリノ」と言う名古屋人なら誰でも知ってる大きな会社に成長されています。

肝心の映画のお話
いかにもフランス映画でした。
主人公が2014年に22歳の若さでパテシェ世界チャンピオンに輝く実話。
主人公は幼いころから実母にネグレクトされる。
恵まれない彼を支えたのは里親の家で作るスィーツだった。
その中でスターパテシェが彼の憧れとなり、幾多の困難を乗り越えパテシェとなる。
パテシェになってからも困難は続くがパテシェ世界チャンピオンを目指し彼は努力を続ける。

何故この映画が「パリブレスト」かと言うと彼の得意のスィーツがパリブレストだったと言う安易な邦題でそこは落胆。
ただ、彼の作る「パリブレスト」は僕の知ってるものとは似ても似つかないもので「最先端のスィーツとはこんなのなのか?」と驚いた。
と言ってももし邦題が「パリブレスト」でなかったら目に留まらなかったかもしれないので、良かったのかもしれない。

映画の原題は「A La Belle Etoile」
=「満天の星の下で」。

主人公が大人になってからも貧困から野宿しているシーンが出てくる。

主人公が夜空を見て北斗七星を「片手鍋みたいだ」こぐま座は「小鍋だ」と表現するのが何とも面白い。

料理界、スィーツ界でも有名なシェフは「スターシェフ」と呼ばれるし、ミシュランガイドでも星がつく。
「星」=「Étoile」は彼の人生観を表現しているのだろう。