矢吹

テクノブラザーズの矢吹のレビュー・感想・評価

テクノブラザーズ(2022年製作の映画)
3.9
テクノブラザーズ・ゴー・トーキョー

リコさんがすごくご立派になられており、嬉しかった。
これが10周年だ。

大田原市。
ここではあなたたちの音楽は通用しないんだから。
東京にでも行きなさい。
っていう、スタンスの映画。
まじで痺れましたね。

テクノブラザーズの発現。
壮大な、現代社会への回帰から始まる今作は、大田原愚豚にとっては初のカラーになってますから。ノリとしても非常にマッチしてましたね。

さよならだけが人生だ。
好きになる気もない音楽を消費する時の顔。
革命。
全て、抜け目のないコメディですし、
音楽的に、テクノは、テクノだから。
静と動の、大部分は静であり。
またそのテクノが、本気のテクノだからよかった。
そんなテクノブラザーズの演奏を聴く人たち。
町の、市民会館の、お祭りの、
音楽イベントに参加する人々。
出る人、見る人。
踊ったり歌ったり喜んだりしている、
栃木県大田原市の、子どもたち。
時代の最先端をいく、その荒涼と、電子音楽。
今までの渡辺さんの作品の中で、
最も大田原市という場所が輝いて見えたかもしれないな。
そういう変化が、外にも中にもあったんだろうな。

あとね、
こいつらには水で十分よ。
というセリフにも、大いなるパッションを感じたのだよ。
そういうことじゃねえんだよっていうね。
ああすることによって、
注文をしないという節約は、ストイックな罰となり、
トーキョーにでも行きなさいということによって、
大田原市は東京よりも音楽的な成功が難しいハイレベルな町となるのだ。
言葉とスタンスの使い方で、
全ては逆転可能である。

劇中、僕の好きな渡辺さんの1人喋りがあまり聞けなかったのは、ちょっと寂しかったけど、舞台挨拶で、クロサキさんの、生おしゃべりが聞けたよ!
矢吹

矢吹