片腕マシンボーイ

テクノブラザーズの片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

テクノブラザーズ(2022年製作の映画)
3.7
大田原愚豚舎最新作!10周年にて初のカラー作品!ってかなんなんこれ?ゲラゲラゲラゲラ

極悪マネージャーとテクノブラザーズがレコード会社と契約するために大田原から東京まで旅にでるぞ!って話

とりあえず見る前はカラーやなんて思ってなかったからば、初めは色があるだけで、あれぇ!大田原愚豚舎っぽくないんちゃう?なんてハラハラしたが……
とりあえずリコさん出てきた時点で、ゲラゲラ大田原愚豚舎に違いねぇ!しかしリコさん成長したなぁ、なった

そして初のカラーであると同時に大田原愚豚舎初の音楽映画でもある本作、インディーズ映画界の極点ともいえる大田原愚豚舎代表監督渡辺紘文が弟渡辺雄司が1年半の歳月をかけ作り上げた音楽を全面に散りばめて大田原中を駆け巡り作り上げた奇っ怪な音楽ロードムービー
とはいえ最先端を行き過ぎた大田原ではテクノはもう遅すぎたのか?リコさんに「ここではもう通用しないから、東京を目指しなさい」っつ〜アドバイスを頂き、渡辺兄弟……もとい!テクノブラザーズは大田原から車に乗り込み長い長い旅に出るぞ!

なにぃ?大田原から東京まで車で高速使えば2時間半、下道でも4時間少しで着くだとぉ?
しかしテクノブラザーズ一行はゆけどもゆけども大田原の市内をあっちこっちして東京へと全然辿り着かへんやんけ!ゲラゲラ、まぁ「蒲田前奏曲」っつ〜蒲田のご当地コラボオムニバス映画でも大田原愚豚舎の手がけた一遍だけは大田原から参戦!っつ〜謎すぎるスタイルだっただけあり、当然こいつら東京になんか来る気はないのであります!何がトラブルで今日中にはちょっと……だよ、ゲラゲラ

さぁそんな愉快な仲間たちによるロードムービーなんやが、ゆく先々のコンサートホールやライブカフェ、ハロウィンパーティー、等などで演奏を繰り広げるテクノブラザーズ、渡辺兄弟の弟雄司氏は元々クラシックを学んでいたらしいのやがテクノかてキレキレで、思った以上にガチなテクノブラザーズなのであります!そんなピコピコでイケイケなテクノを前に大田原のじいちゃんばあちゃん達の死んだような表情が映えること映えること!

しかし愉快なシーンばかりではありませんよ、このテクノブラザーズ舞台の上では素晴らしい演奏を奏でるのですが、舞台を降りるとマネージャーの女の子の奴隷も同然!ロクに寝場所も食事も与えられず、ほぼ水道水のみで働かされているのであります!ひゃー!
そうね、マネージャーが美味しそうにラーメンを食べるのを見ながら力なく佇むテクノブラザーズの姿には涙を誘われましたねぇ、果たしてテクノブラザーズ達は温かく美味しいご飯にありつける日がくるのか?頑張れテクノブラザーズ!

そんな極悪マネージャーを演じるのは新人の女優さんでお歳は……まだ高校生!新人とは思えない貫禄の演技には震えましたし、実は監督志望らしく、渡辺監督に本作の中のなんカットかは任されているらしいですね
そしてテクノブラザーズを演じるのはもちろん渡辺兄弟!つってもテクノブラザーズはほぼほぼ突っ立ってマネージャーに怒鳴られたり、悲しい雰囲気で座り込んでいたり、舞台上で演奏したりするだけやからなぁ!ゲラゲラ
まぁ監督兼演者の渡辺紘文は他にも何役か兼任していて……リコさんの付き人、ホールのスタッフ、大地主……本人も何役か覚えてない言うてましたわぁ

まぁ、音楽映画要素が強いぶん、他の作品ほどストーリー的な濃さや毒の強さ等は感じられなくアッサリ観れたけども、徐々に惹き込まれていく吸引力は変わらずやったし、まだまだ伏線放りっぱなしで終わっていたんで(そもそも微塵も東京に近づいてねぇしな!)、(どうせ大田原から出れないとは思うけども)続編も観てみたい作品やったなぁ

さぁ大田原愚豚舎10周年って事で約1ヶ月に渡り最新の本作はじめ過去作も上映中!配信等では一切観れない日本のインディペンデント映画の極点!大田原愚豚舎作品みんなにもぜひオススメするぞぉ!マシンボーイもまだ観てないヤツいっぱいあるからめちゃんこ楽しみ、ぺろぺろぺろぺろ