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ダンサー イン Parisのtsuraのレビュー・感想・評価

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)
4.3
2023年度ベスト候補になる作品がいよいよ届きました。

鑑賞後、こんなにも心が潤い洗われたのはいつぶりだろう!

悲しみや赦しの涙ではなく、前向きになれる背中を押してくれる綺麗な涙…

この「ダンサーインParis」は未来を嘱望されるバレエダンサーのエリーズが挫折から新たな生き方と人生を考える為に新たな世界へ踏み出す様を丁寧に描く。
時に大胆に、それでいてビターでもコミカルに。
人生そのものを2時間で昇華させてくれる素晴らしい作品であった。

作中の元気になる源やヒントが示唆されておりそれらも好感。
紛れもなくコンテンポラリーダンスはそれで、究極の美の中でもがいてきたからこそ、その世界から地に足を着けて生きていくという決意を滲ませ、後半部の主人公の生き方に影響を与えている。

料理も忘れてならないアイテムで、様々なエピソードと共に印象深い料理がもてなされ道標となっている。

個人的にはミュリエル・ロバンが演じるジョジアーヌが大好きだ。
暗い底にいる人に光を当てる重要な役目を果たしており、彼女が残す言葉…
例えば「ヒマラヤに初登庁した女性の言葉を?… 低い場所で転んだから、高い山に登れる」なんて欲しい時に投げてくれるんだからそりゃポジティブになれますよ笑

私はダンスとはほぼ無縁の人生だけど、それでも彼女達の踊り、その一挙手一投足に魅了された。

これはこの先の人生、辛くなった時に見たくなる大切な作品になりそうだ。
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