ブラウンソースハンバーグ師匠

ポエトリー アグネスの詩 4K レストアのブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

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凄い好きだった。

主人公の詩を書くまでのプロセス、それに付随する視点が、事件が物語化されるのを拒否するかのように機能している。
だから、主人公は思い詰めた素振りも見せず、事件を丸く納めたい人達にとっては不誠実に見えてしまう。
でも、この映画はそういった感情で表すものではなく、日常を「視る」という行為そのもので表している。

女の子の軌跡を辿った主人公が、同じ運命を辿り、ラストでは詩の中で同化する演出も凄まじい。振り向いた女の子がお世辞にも美女ではない。最後まで物語化の抵抗を図る。

ただ、詩作教室の生徒達が、誰一人詩を書いてこなかったのは「ええ……」となった。出来がどうであれ、書かなきゃ始まらないのに!