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シークレット・サンシャイン 4K レストアのsnufのレビュー・感想・評価

4.8
シネを演じたチョン・ドヨンは本当にすばらしかった。
映画を観ている時、僕は現実を映画で観て、映画を観ている自分の人生は非現実なんじゃないかというくらい、この映画には現実世界があった。
この映画を観て、自分の背骨が砕かれて今までの自分ではいられず、地面に足で立てなくなるようなそんな衝撃を感じた。

シネの人生はあまりにもつらすぎる。
だけど誰も彼女の痛みを代わってあげることはできないし彼女の痛みは彼女の痛みでしかない。
ヨングはシネのことが好きだが彼女の痛みを理解することはできないし気遣ってそばにいることしかできない。
人と人は究極分かりあえず、人間って孤独だなと感じつつ、ただシネのそばにいてるヨングに世界の一筋の希望を感じる。
宗教に救われようとしたシネが救われず、
神を恨み負けまいと挑んでいく姿、胸が潰れそうになるがシネの復讐ともいえる行為に共感できてしまう自分がいる。
人は酷い悲劇に見舞われたら誰でもシネみたいになる可能性があるのではないか。
シネは神へ挑むことで日々神の存在を身近に感じているのではないか。
ラストは陽射しと影のシーンでどう考えたらいいか分からなかったけどなんかそこにも神の存在を感じさせられた気がした。

凄い映画だった。
この映画を超える衝撃をこれからの人生で映画を観て感じられるのか、正直自信がない。
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