ヤマダタケシ

シークレット・サンシャイン 4K レストアのヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

2023年12月 目黒シネマで2K
・イチャンドン作品は何かしら他作品とのリンクを感じる。今作はポエトリーを連想した。
・観たのは二回目だったけど、こんなにユーモアもある作品だったんだという印象。はじめて観た記憶ではとにかく暗い映画だったので。
・後半ツラくはあるのだけど、神に対して反抗する行為を繰り返していく主人公が苦しくもあり、しかしすることにどこかユーモアもある。万引きするとこや、集会で「ウソ」を連呼する曲を流すところなど。
└神に見せつけるからこそ出来事自体は見せない。セックスもリストカットもそれをする際に天を見上げる主人公の顔が映される。それは見ている存在=観客=神では無く、見せつけている神自体はさらにその向こうに想定されているからだ。だから青空のカットから始まるし、青空のカットは何度も出てくる。
・ラストカットで映る、本当になんでもない陽だまりに美しさを感じる。この美しさを言葉にしたものがポエトリーな気も。
・ソン・ガンホがひたすらいい。ダメな田舎コミュニティ感。すぐに出てくる先輩・後輩的なコミュニティ感。
└いつまでもシネを好きで居続けるソン・ガンホこそが信心深い気すらする。
・都会の個人的なあり方と田舎の在り方の差。