まえじま

プリシラのまえじまのレビュー・感想・評価

プリシラ(2023年製作の映画)
3.4
2024年28本目。

もはやエルヴィスじゃなくて良かったかも。

とても評価が難しい作品。
何故ならばどう頑張っても2年前のバズ・ラーマン監督の「エルヴィス」がチラついてしまうからだ。

あの作品で大佐からの圧に耐え続けてワーカホリックになってしまい、ドラッグなど破滅の道へと進んでしまった可哀想なエルヴィスを見てしまったので、そのような境遇の中でプリシラに与える束縛やグルーミングとも取れる行為も一瞬擁護してしまいそうになった。

勿論あの作品ではプリシアは単なる脇役で彼女の心情を感じ取れる描写があまり無かったので、「プリシラ」と観ると補完するのかもしれないが、14歳の少女が世界のスーパースターと恋をし、次第に彼の束縛DVメンヘラ度が垣間見え、それからの解放を描くのだとしたらエルヴィスに感情移入してしまったらダメだと思うのだが、難しい。

この作品はエルヴィスの楽曲の使用の許可が下りなかったとのことだが、「マリー・アントワネット」でソフィア監督が描いた女性の解放を舞台を変えて描きたいのであれば少しパンチに欠ける作品ではあったと思う。
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