このレビューはネタバレを含みます
【カメラを止めてた!?】
って言うくらい、ストーリー飲み込むのが難しい。
これ、僕が見たのってもしかしたら【プリシラ2 〜ラスベガス万歳〜】だったかも!?
さて。
先日某ラジオにて紹介されていた、エルヴィスプレスリーの妻「プリシラ・プレスリー」目線での大スターとの生活を描いた映画。
監督はロストイントランスレーション等のソフィア・コッポラ。
Frankie Avalonの"Venus"がテーマ曲。
昔バイトしてたところでずっと流れてたので個人的にすごい感慨深い曲だし、なによりメロディがとてもきれいで、大好きな曲なんですよねぇ。
"最近映画館にいけてない、けどいきたい、見たい映画はこれといってナシ…"
そんな時にラジオでこの曲が流れ、この映画が紹介されたときは脳内で「これ、見なきゃ」となり、まんまと乗り込んでしまったわけです。
さて早速本作について。
【①Hey DJ!出番始まってますよ!】
イントロからRonnetsのBaby I Love You…かと思いきやRamonesがカバーしたverでズッコケ。
オリジナルであれば無問題なのですが
使用権的なハナシ??にしてもいきなり時代から20年後のカバー曲でいっちゃうのか…
まあ…曲は良いし、、
開始から15分くらいでエルビスからの初コンタクトの電話があるんですが、そこではジョーンジェット&ブラックハーツの"Crimson&Clover"使用。
こちらも20年後の世界線の楽曲。
いや、、、確かにこれって初恋のトキメキみたいなのを感じさせる力がある曲だとは思うけど
まだ15分で…ねえ??
エルビス、ちゃんとスキン持ってんだろうなァ!?
定期的にあるエルビスとプリシラのイチャイチャ・モンタージュ(以下、イチャモン)の尺の長さには、友人の度重なる惚気話に苦笑いしてしまう自分の顔と同じものが浮かび上がる。
しかもBGMはSanto & Johnnyの"Sleepwalk"で、前述の時代背景問題はクリアしているものの、曲のタイトル通り眠気マックス。
先輩!!自分、帰って良いですか???
【②恋はジェットコースター】
も〜う、ものすごい話が早い、早すぎる。
僕じゃなかったら見逃しちゃうね。
エルビスDVからの家出宣言、からの熱いキッスからのワイワイガヤガヤ=ヤッホー!万事解決!!
パーリィのBGMにはスペクトラムの楽曲。
いやこれが80年代のアーケードだったら良いんですよ、でも奥さんそんなものはこの時代にないでしょう?
コッポラによる謎過ぎる90年代頃の曲選、多分前の旦那の忘れ物なんじゃねーかな。(スパイクジョーンズ)
ハナシを理解させる余白ナシ、そのスピード感でエルビスは生きてたのかも。
かもねかもね・そうかもね〜
子供なんて、生まれて5分で歩いてたしな。
【③ソフィアコッポラの"思い出がいっぱい"】
散々書きましたが、ソフィアコッポラの製作観点に音楽やバックカルチャーなんてものはノイズなのかな?と思うと、だいぶ着眼点は変わってきます。
「永遠のようなモラトリアム期から脱出した少女=1人の女性」像として、エルビスプレスリーという大スターから散々な扱いを受けながらも、自分自身で道を選択して大人になっていくプリシラの描き方は素晴らしいし、愛情が抜けていく時間が男女では違う感じ(女性が愛想尽かしちゃうやつね)は、現代もありますね。
プリシラ・プレスリーは、コッポラが描きたい姿そのものな気がしました。
最後、絶頂期かつ重度のドラッグ中毒者だったエルビスが、自分の元を去っていくプリシラに少しながらの後悔を見せていることが、彼女の人生の始まりを意味しているな、と。
しっかし…やっぱり最後の挿入歌(ホイットニーヒューストン)は、ちゃんと翻訳詩が画面に表示されて、意味合いも合っているし照らし合わされてるんですが…
やっぱ60年代の曲じゃないとダメでしょ!!笑
序盤でズッコケたが、最後に起き上がることが出来ました。
人生の視点が360°変わった作品となりました。
"少女だったといつの日か思う日が来るのさ〜♪"(H2O / 思い出がいっぱい