藍紺

プリシラの藍紺のレビュー・感想・評価

プリシラ(2023年製作の映画)
3.5
世界的スーパースター、エルヴィス・プレスリーと恋に落ちた14歳のプリシラ。世の女性たちが憧れる文字通りのシンデレラストーリーだけど現実は甘くない。

ソフィア・コッポラは本当にこういうジャンルが好きなんだな。籠の中に囚われた孤独な女性が自己に目覚め自立していくパターンがとても多い。でも女性たちは皆、特権階級というか元々恵まれてる人が多いし、個人的には共感しにくいのが正直なところ。フワフワ綿菓子みたいな世界観も含め切実さが感じられない。ソフィア・コッポラって傍からみたら自由に生きていて、やりたい事は全部実行してきました!っていう人生にみえるのだが、繰り返し描いている作品から察するに、そうでもないのかな?実際には辛いこともあったのかな……(正直全くそうはみえないが)。
プリシラのことより、ソフィア・コッポラのことを考えてしまう映画だった。

ケイリー・スピーニーとジェイコブ・エロルディがとにかく絵になる。主演の二人を美しく撮ることにかけては流石ソフィア・コッポラと思わされたし、「はー、この選曲ですか!」と唸る劇伴も見事。
それにしてもジェイコブ・エロルディはエルヴィスにハマっていてビックリ。似てないと思うんだけど佇まいに雰囲気が出ていて良かったな。

どうでもいいことをひとつ……、ジェイコブって今やハリウッドを代表するセクシーでホットな俳優であるのは認めますが、時々『かぐや姫の物語』の御門にみえてくるのは私だけでしょうか(笑)。
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