ふわふわ

プリシラのふわふわのレビュー・感想・評価

プリシラ(2023年製作の映画)
3.7
ソフィア・コッポラ監督作品
エルヴィス・プレスリーの妻プリシラの自伝的映画

ソフィア・コッポラは好きな作風の監督なので楽しみにしていました。
なので評価は甘め。

まずはラモーンズの『Baby I Love You 』でテンションがあがる!
この曲はザ・ロネッツの曲で作ったフィル・スペクターのプロデュースでラモーンズがカバーしています。
安易にエルヴィスの曲を使わないところがソフィアらしくて好き。
ジョーイの甘い歌声がプリシラを可愛がるエルヴィスに重なります。

そしてプリシラ演じるケイリー・スピーニーがとにかく可愛い💕
小さくて可憐で可愛すぎる!
私もエルヴィス同様にメロメロだあ!
CHANELのファッションも眼福。
瓶のコーラを飲むプリシラに釘付け…(心の中でズキュウウウンと音が鳴る🎸)
可愛いもの、人、を可愛く映像に映すソフィアの才能が好きです。
可愛いものを観ると幸せな気持ちになる。

エルヴィス演じるジェイコブ・エロルディもエロエロです!
ジェイコブさんは『ソルトバーン』にも出演していて気だるくてエロい自分勝手なセレブを演じさせたら右にでる者はいないんじゃないですかねー。

ソフィア・コッポラの作品のテーマはあんまり変わらないような気がして…

"セレブの孤独"

この映画のプリシラも子供でスターに見染められますが、退屈な生活…
エルヴィスは何も知らない歳の離れた子供を家に縛り付け、まるでペットのように可愛がります。
いつも置いてけぼり。
愛憎やドラマや感情をすくい上げないので、映画として淡々としたつまらない印象になりますが、それこそが彼女の日常。
セレブってつまらないなー。

エルヴィスに寄り添って支えろよと思いましたが子供の時から社会性を奪われ、愛玩としての役割しか与えられなければ妻としての支えは中々できないよね。
学問も中途半端だったし。
自分で人脈を作ったり(何故か空手を習い出す…😅)しようとしたみたいだけど、空回りしてた。

終わりもソフィアらしくサクッとしていましたがここで『I Will Always Love You 』が流れてきて、最初の曲との対比になっていて、とてもかっこよい終わり方…
籠の鳥が羽ばたいた瞬間でした。

ソフィアの映画を観ていて思うのは孤独感。
誰かの妻でしかない自分。
セレブって楽しそうだけど、そこから逃げ出せない閉塞感。
ソフィア自身がセレブだからか、セレブの生活の描写がとてもリアル。
いくら着飾っても、パーティーしても、埋まらない孤独を描くのが上手です。

セレブに憧れたり、シンデレラに憧れたりするけれど、自分の脚で立ってこそ人生ではないでしょうか。
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