エルヴィスプレスリーの妻だったプリシラさんの話ね。軍人である父親の仕事の都合で西ドイツに住んでいたプリシラはある日テリーという軍人に声をかけられてパーティーに参加することになる。何ゆえテリーは彼女に声をかけたのか。よくわからんが、おそらく若い女の子が足りないとかの軽い動機だったのだろう。でもプリシラとエルヴィスは恋に落ちてしまう。今の倫理観からすると成人男性と中学生の交際なんて犯罪だが、当時は甘かったのだろう。エルヴィスはアメリカに戻り、2人はしばらく離れて暮らすが、思いは消えず、両親を説得してプリシラは高校卒業を待たずにエルヴィスの元に。でずっとエルヴィスの屋敷で暮らしているんだけどさ。エルヴィスの好みで髪を染め、バイトは諦め、夜はエルヴィスの友人たちと騒いで覚醒剤を飲んで学校に通う日々。当然勉強なんかできず、カンニングをして卒業。エルヴィスはおおむね優しいんだけどときどき暴力を振るう。でもそれよりも、あの大きな屋敷の中でエルヴィスのツアー中は放っておかれる退屈さ、所在のなさが彼女は耐えられなかったのではないか。いつもエルヴィスのペースに合わせないといけないわけだし。エルヴィスの姿も、ショービズものにありがちの、女を侍らせ酒と薬でだらしないことになっている姿ではなく、これ割と素に近い感じなんだろう。読書家でスピリチュアルにハマったり、元々田舎の兄ちゃんだもんな。可愛い娘も生まれる。でもエルヴィスの妻であることに耐えられなくなったプリシラは彼の家を出ていく。それだけのことが特に大きな事件もなく淡々と描かれる。だから何って感じではあるんだけど、妙に心に残る。
