スーパースターの恋人・妻は孤独よ、なソフィア印満載ストーリー
バズ・ラーマン監督作品の「エルヴィス」に対になるように、エルヴィス・プレスリーの妻プリシラのエルヴィスとともにあった時期のエピソードで紡いだ本作。
ストーリーは正直淡々、いや平坦というか予想通り過ぎてまぶたがくっつきそうになった瞬間もいくつかあるのですが、やはりソフィアコッポラ作品には彼女にしか出せない嫌味のないリッチさというのがあって、その点はとても満足しました。お金で買える質の高さには十分に満足できても、お金では買えない、愛情や居心地の良さに欠けてどことなく孤独を抱えた女性の姿という描写も、ソフィアらしくて好印象でした。
音楽のチョイスや、ワードローブの質の高さ、食べ物のチョイス…美しいだけではなく質的にも満たされるような「ちゃんとしたもの」が当然のように出てくる安心感は120点でしたが…
ストーリーは抑揚がなくてエンターテイメントではなかったですね。
プリシラがグレースランドに初めて到着する時にかかる"How you satisfy me"はすごく印象に残るチョイスでした。
ソフィアコッポラ作品の纏うオーラが好きという人、単なるゴージャスだけではない、質の高い小道具やガーリーな雰囲気に満たされたい人にはおすすめします。
（プリシラ役のケイリースピニーやエルヴィス役のジェイコブエロルディはとても魅力的でしたよ）
