さすがソフィアコッポラ、10代〜20代前半女子特有の不安定さと閉じた世界での過剰な自己陶酔感が見事に表現されてたし、60〜70年代アメリカのパリピ(プレスリー・マフィアと呼ばれてたらしい)の飛んでる感とか、もちろんお得意のファッションセンスも存分に発揮されてて飽きることがなかった。
タイトル通り徹底したプリシラ目線で、プレスリーの仕事やそれにまつわるエピソードがほとんど出てこなかったことが、いい意味で意外だった。これは、夢見る少女が文字通り夢のような大スターと夢のような生活に陶酔していたところから、精神的に自律するまでの成長譚だったんだな、と納得。
特に彼の好みでしていた「黒髪＋濃いアイメイク」や無地のワンピースから、ナチュラルヘア＋メイクへの変化で、依存からの脱却を表現していて見ていて気持ちよかった。最後はパンツスタイルというのも(単に70年代の流行りだったのかもしれないけど)、精神的にも経済的にも自分の足で歩いていく1人の女性になったと言う感じがしてよかったなあ。
