二人の主人公のはじめの出来事がどうしても引っ掛かる。チャンドンは都合よく人の行動を美化しない作家のようだ。
脳性麻痺のある人物をネタにすることをチャンドンはどのように整理をつけたのだろうか。その人物を好奇の目に晒すことに批判が出るだろうし、劇中の露骨な差別は同じ境遇の人を傷つけるだろう。
そんなことを思いながら見て、とても強く感情を揺さぶられるその心の動きが純粋なものか怪しく、居心地が悪い。
しかしながら考える。ソルとムン（太陽と月！）の間には生じない壁がムンと他の誰かの間になぜできるのか？考えてもムンを勇気づけられる答えは出てきそうにない。それでも、映画が終わった時ムンのことが好きになっている。かわいい！と思う。見る人を信じてチャンドンは、一人の女としてムンを描くこの映画を作ったのだ。
