長尾蛙

6月0日 アイヒマンが処刑された日の長尾蛙のレビュー・感想・評価

4.0
お偉いさんが来るから雪道が滑らないように砂を撒けと言われた。
その砂はよく見ると
灰だった。

一般の知識として耳に入る当時のおぞましい歴史の、さらに隙間を埋めるような残虐なエピソードを語る生存者。
重圧と怒りで発狂寸前の警察官。
行き場のない少年。居場所を見つけた少年。そしてまた失った少年。

巨大な歴史の裏側は、一つ一つの小さな事実で糊づけされてそこにある。
長尾蛙

長尾蛙